細胞機能調節学研究室

研究テーマ

研究テーマ

lipoxygenase阻害剤およびα-glucosidase阻害剤の分離・精製

免疫器官の組織化学的研究

軟骨魚類において主要な免疫器官は脾臓です。一般には脾臓を中心に獲得免疫のスタートである抗原提示が起こっていると考えられます。脾臓で基本的にみられる免疫細胞の局在パターンと照合しつつ、局在する免疫細胞のタイプ別に各種レクチン(特有の糖鎖に結合するタンパク質)等の細胞マーカーを用いて調べることで、各免疫細胞の特徴付けをしてゆきます。またその他の免疫器官として、T細胞の教育と分化の場である胸腺についても同様に研究を行います。

カイコの変態における絹糸腺分解の分子機構

生体内でのリンパ球の増殖に関する研究

免疫細胞、特にリンパ球の増殖は、抗原を認識(抗原提示)したのち、少数の細胞群より急速に数を増やすことで、多様な微生物に対しても対抗できる優れた仕組みであると考えられます。その意味で、リンパ球を中心にその増殖過程を調べることは重要ですが、軟骨魚類においてはこれまでその詳細は明らかではありませんでした。そこで生体内での免疫細胞の増殖について調べるために増殖時に細胞に取り込まれる核酸の誘導体を生体に投与し、免疫器官、特に脾臓における増殖中の細胞を組織化学的に調べ、また免疫細胞を単離し増殖中の細胞について解析を行います。


植物の老化と細胞死に関する研究

免疫細胞の遺伝子発現パターンの解析

軟骨魚類の免疫系の遺伝子については近年詳しく研究されるようになりました。例えばヘルパーT細胞の幾つかのタイプの存在を示唆する、細胞タイプに特異的な転写因子の研究もそれにあたります。しかし哺乳類との比較という点では分岐年代も相当遡ることもあり、研究グループ間での解釈にも違いが生じてしまうこともあります。その意味では各遺伝子を独立に解析するのではなく、各細胞タイプにおける包括的な遺伝子の解析が有効であると考えられます。そこで細胞タイプ別に分取することで、それぞれの遺伝子発現パターンについて包括的に解析してゆきます。

分泌型微小顆粒(secreted extracellular vesicles)に関する研究

生理的な免疫応答の誘導に関する研究

免疫細胞の培養条件が未だ確立されていない、あるいはその培養条件が適当か否かを判定する術が現状では未だ無い動物(軟骨魚類もそれにあたります)においては、信頼性の高い、より生理的なサンプルとなる細胞は、生体より取り出してきた細胞ということになります。抗原を認識して(抗原提示)活性化したリンパ球に関しても同じことが言え、生体内での適切な背景のもとに誘導された細胞を得ることが、本来の状態を知る上で重要だと考えられます。その上で、培養により誘導して得られた細胞が、生理的な状態を反映した細胞であるか否かについての判断ができます。そこで生体への抗原の投与により免疫応答を生理的に誘導し、これをモニターする手法の確立について検討してゆきます。


核酸・蛋白質科学研究室
研究テーマ
研究室での教育